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2014.01.17

靖国神社参拝に関する若者の反応

安倍首相の靖国神社参拝に関して、産経新聞社とFNNの合同世論調査(A)とNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションの分析(B)が相ついで公表された(後者は1月14日の日経新聞)。この二つの調査は手法が違うがともに靖国神社参拝に対する日本人の反応を調べるものであり、調査の結果はよく符合していると思う。
とくに興味深いのは若者の反応であり、Aは、若者(男)の半数以上が参拝に肯定的回答をしたとし、Bは、「ありがとう」「よくやった」「いいぞ」の声がネットにあふれたとしている。ネットへの書き込みをしたのは若者が多いと考えれば、Aと符合する。
しかし、日本人の若者はほんとうに首相が靖国神社参拝を支持しているか、疑問の余地がある。もし、「首相が戦争指導者を尊敬することを支持しますか」という問いであったら、回答者の半数以上が賛成したか。推測だがそうは思わない。
実は、安倍首相の靖国神社参拝の後、私も個人的に数人の青年と話をしてみた。これはAやBとは比較にならない小さい数であるが、符合する部分があった。とくに、安倍首相が靖国神社に参拝して、戦没軍人の慰霊をし、敬意を払うことには何も問題ないという反応である。
そこで、「では戦争指導者に敬意を払うことに賛成するか」と聞くと、明確に否定的な反応が返っていた。一般の戦没者に対するのと正反対である。
この点についてはAもBも触れていない。Aはそのような質問はしなかったのであろう。Bは、質問に対する回答でなく、ニュース速報を見聞きした人によるネットへの書き込みの分析なので、戦争指導者の書き込みがなかった(少なかった?)のはなんら不思議でない。
要するに、「戦争指導者を尊敬するべきか否か」という戦後の日本を苦しめてきた問題について日本国民がどのように考えているか。AでもBでも分からないのである。
一方、Bには、安倍首相が参拝した日の午後、米国の駐日大使館が声明を発表すると、そこで使われた「失望」がネットで一気に広がった。米国大使館の声明に若者は鋭敏に反応したのである。ただし、この反応が米国の声明内容に賛成、つまり安倍首相の参拝に反対したのかどうかは分からない。この分析はネットに書き込まれた言葉を単純に集計したにすぎないからである。


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