中国
2017.02.06
以前、軍内の反腐敗運動が進まない原因であった軍の規律検査委員会を王岐山の中央規律検査委員会の直接の指揮下に置き、サボれないようにした。
また、同じく軍内の反腐敗運動に消極的であった人民解放軍総政治部(総参謀部などと並ぶ4つの「総部」の一つであり、軍と党を結ぶ役割を果たしていた)を他の3つの「総部」とともに解消し、中央軍事委員会に「政治工作部」を置いた。これは2015年11月末のことである。
(当研究所HP2015年12月15日「(短文)中国軍の改革」を参照願いたい。)
この機構改革から1年余りが経過したが、軍内の反腐敗運動はその後も順調でないらしい。米国に本拠がある『多維新聞』などは次のような状況を報道している。
「徐才厚および郭伯雄の問題が片付き、習近平の3年越しの軍改革は全面勝利を収めたと見られているが、解放軍内では、2人の摘発は物事の始まりで、習近平は人民解放軍を作り替えようとしているのではないかと恐れられている。
2015年末の軍改革工作会議はもっと早く開催される予定であったが、問題があるという理由で延期されていた。習近平はそのことに強く不満で、「誰が改革に反対しているのだ。反対なら辞職せよ」と一喝したと言われている。この一事を見ても軍の改革が容易でないことがわかる。
2016年8月、大胆に意見を言うので有名な国防大学の劉亜洲政治委員の演説原稿がネットで流れた。そのなかで劉は「この十年、我々の軍はどうなった? 軍は一大市場になったではないか。我々の前にあるのは戦場ではない。市場だ。しかも売り場である。すべてのものに値段がついている。軍はこけおどし(一滩烂泥)に成り下がっている」と言っている。
軍はこのように骨の髄まで腐りきっているので改革が必要なのだ。解放軍の魂を作り替えなければならない。
2016年末から17年にかけ、軍内で将官級の人事異動が頻繁に行われたのは、習近平による改革の一環である。」
中国軍の改革―反腐敗運動はいまだ進まず
習近平主席は軍に対しても反腐敗運動を鋭意進めてきた。中央軍事委員会の副主席(軍のトップにある数人)であった徐才厚および郭伯雄を摘発し、前者は獄中で死亡、後者は無期懲役となった。以前、軍内の反腐敗運動が進まない原因であった軍の規律検査委員会を王岐山の中央規律検査委員会の直接の指揮下に置き、サボれないようにした。
また、同じく軍内の反腐敗運動に消極的であった人民解放軍総政治部(総参謀部などと並ぶ4つの「総部」の一つであり、軍と党を結ぶ役割を果たしていた)を他の3つの「総部」とともに解消し、中央軍事委員会に「政治工作部」を置いた。これは2015年11月末のことである。
(当研究所HP2015年12月15日「(短文)中国軍の改革」を参照願いたい。)
この機構改革から1年余りが経過したが、軍内の反腐敗運動はその後も順調でないらしい。米国に本拠がある『多維新聞』などは次のような状況を報道している。
「徐才厚および郭伯雄の問題が片付き、習近平の3年越しの軍改革は全面勝利を収めたと見られているが、解放軍内では、2人の摘発は物事の始まりで、習近平は人民解放軍を作り替えようとしているのではないかと恐れられている。
2015年末の軍改革工作会議はもっと早く開催される予定であったが、問題があるという理由で延期されていた。習近平はそのことに強く不満で、「誰が改革に反対しているのだ。反対なら辞職せよ」と一喝したと言われている。この一事を見ても軍の改革が容易でないことがわかる。
2016年8月、大胆に意見を言うので有名な国防大学の劉亜洲政治委員の演説原稿がネットで流れた。そのなかで劉は「この十年、我々の軍はどうなった? 軍は一大市場になったではないか。我々の前にあるのは戦場ではない。市場だ。しかも売り場である。すべてのものに値段がついている。軍はこけおどし(一滩烂泥)に成り下がっている」と言っている。
軍はこのように骨の髄まで腐りきっているので改革が必要なのだ。解放軍の魂を作り替えなければならない。
2016年末から17年にかけ、軍内で将官級の人事異動が頻繁に行われたのは、習近平による改革の一環である。」
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