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2016.08.07

(短評)中国の公船の尖閣諸島海域への侵入

 8月6日、中国の公船数隻(7隻?)が尖閣諸島付近で我が国の接続水域に侵入し、日本側からの警告を無視して長時間居続けた。日本は外交チャネルで抗議したが、中国はまったく聞き入れなかっただけでなく、一部公船は日本側からの抗議の後、日本の領海内にも侵入するという無法ぶりであった。これまで何回も繰り返されてきたパターンだが、今回はかなりひどかったらしい。

 今回の中国側の行動は、南シナ海に関して先月国際仲裁裁判の判決が下り、中国が全面敗訴したことと関係があると思う。中国はそのためだとは言わないが、判決後、日本に対して南シナ海の問題にかかわるなと主張し、また、「行動を慎め」と外交儀礼を欠いた発言を行うなどしていた。
 尖閣諸島付近での行動が南シナ海問題と関係があると自ら言わないのは、問題を拡大し、情勢を悪化させたのは日本側だ、と主張するためだろうが、実際には中国が関連付けている。これについては7月22日付の当研究所HPに掲載した「南シナ海の判決を中国が受け入れないもう一つの理由―台湾・尖閣諸島への影響」を参照願いたい。

 残念ながら中国は今後もこのようなことを繰り返す危険がある。そうなった場合、日本はあくまで冷静に、毅然とした態度で、国際法と日本の法令に従って対処するのはもちろんだが、南シナ海情勢との関連にも注意する必要がある。

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