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2013.05.10

沖縄の帰属未定論

「侵略という言葉は定義されていない」と主張する人は、日本が中国や韓国に対して行なった行動をどのように表現するのだろうか。「侵略」という言葉が絶対的に必要というわけではない。
もし、「侵略」という言葉が定義されていないからという理由で何も言わないのであれば、それはそれで一つの意思表示であるが、そのような態度を取ることには賛成できない。中国や韓国のみならず、米国も厳しい態度を取る可能性がある。慰安婦問題や村山談話についてはすでに黄色信号というより、赤信号に近いものが点いている。
また、もし、日本は何も過ちを犯していなかったという主張をするのであれば、それは日本国民の意思でもないし、アジアの諸国と友好関係を維持することも困難になるだろう。さらに、憲法の言う「国際社会において名誉ある地位を占める」ことはできなくなるだろうし、「いずれの国家も自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」ことに反することになるであろう。
「沖縄の帰属は未解決」と人民日報が言い出した。これは尖閣諸島問題と関連がある暴論であるのはもちろんであるが、歴史問題で中韓のみならず米国とも認識を共有でき、日本が孤立することを見越して始めた行動ではないか。日本の指導者は国際情勢に対する感度を高めてほしい。


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