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2014.04.01

南シナ海に関する仲裁裁判への提訴

2014年3月30日、フィリピンは南シナ海の紛争を国連海洋法条約の強制的仲裁に提訴した。これより約1年前の2013年1月22日、フィリピンはそうすることを中国に通報していた経緯がある。

米国務省は同日、「米国は脅迫や強制などを含め報復攻撃を受ける心配なく、海洋に関する紛争を平和的に解決することを支持する。すべての国は、フィリピンも含め、国連海洋法条約の下の紛争解決システムを利用する締約国の権利を尊重すべきである。米国は今回のケースが海洋に関する国際法の確実性とその順守につながる(this case serves to provide greater legal certainty and compliance with the international law of the sea)ことを希望する」という声明を発表した。

一方、中国からは4月1日、人民日報の評論が出た。その内容は、南沙諸島は古くから中国の領土でフィリピンが侵攻してきたなどとかねてからの主張を繰り返すもので、「。中国政府は、フィリピンとは話し合いで解決することを提案している。問題の核心は、南沙諸島の一部の主権について主張が対立していることであり、領土主権問題は海洋法の管轄ではないという立場であり、今後もこの立場を堅持する。フィリピンが一方的に海洋法の仲裁手続きに提訴したことを拒否する」などと述べている。

国連海洋法第286条などには、「条約の解釈又は適用に関する紛争であって話し合いで解決できない場合、いずれかの紛争当事者の要請により、管轄権を有する裁判所に付託される」「いずれの国も、(中略)書面による宣言を行うことにより、この条約の解釈又は適用に関する紛争の解決のための次の手段のうち又は二以上の手段を自由に選択することができる」として、国際海洋裁判所、国際司法裁判所、仲裁裁判所のいずれか(複数も可)を選択できると明記している。フィリピンと米国の行動と立場表明はこの規定にかなっているではないか。



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