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2021.03.13

香港の選挙制度改変

 中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は3月11日、香港の選挙制度改変に関する決定などを採択し閉幕した。論点はすでに出尽くしているが、念のために問題点を再確認しておきたい。

 中国政府が特定の候補者を拒否する権限を持つことになった。つまり、香港は今後いわゆる「愛国者」のみで統治されることになった。「愛国者」であるか否かは中国政府によって判断される。香港の独立を主張したり香港国家安全維持法(国安法)に背いたりすること、政府の提出議案に無差別に反対したり、行政長官の辞任を迫ったりすることなどは禁止される。

 このような法律は民主主義の国ではあり得ないものである。香港はこれにより制度的にはほぼ完全に中国本土並みとなる。

 香港の利点である中国との取引の仲介、またそのための金融機能は著しく損なわれていくであろう。香港は早晩上海並みの都市となると予想される。

 中国は、国家安全維持法の制定(2020年6月)に引き続き、今般の選挙制度改変により、香港の返還に際して世界に対して行った「香港に一国二制度を認める」ことと「50年間は自治を変えない」との国際約束を破ったことになる。

 この二つの措置により、中国は国際社会から激しく非難されたが、中国政府は香港の本土化は成功したと考えている可能性がある。今後、台湾の中国への統一がますます大きな課題となるであろう。香港の本土化は中国外交の観点からも大きな意味がある。南シナ海への影響も出てくるであろう。尖閣諸島は、中国は台湾の一部との認識である。

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