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2013.09.04

反腐敗闘争における習近平の本気度

9月2日付の多維新聞(海外に拠点がある中国語新聞)は社説で次の諸点を述べている。
○反腐敗闘争をどこまで徹底できるか、習近平の意思と決意のほどが問われている。
○前鉄道部長の劉志軍に対する判決(執行猶予付きの死刑。一定期間強制労働に服し、問題なければ無期懲役となるのが一般的)は軽過ぎて、巷では批判が満ち溢れている。
○薄熙来も妻の谷開来と同様、執行猶予付きの死刑であろう。
○前発展改革委員会副主任(次官クラス)の劉鉄男が極刑になる可能性はほとんどない。
○前政治局常務委員の周永康は巨額の腐敗を疑われているが、内部処理でお茶を濁すことになるのではないか。
○このような状況は中国の発展を願うわれらとしてまことに憂慮すべき問題である。
○中共は常識にとらわれず、時期を外さず即時に対処し(操刀必割)、重罰をもって臨むことにより初めて腐敗と戦う意思を鮮明にすることができる。

多維新聞の社説が出た翌日、明報は、国有資産監督管理委員会主任(大臣クラス)の蒋潔敏および中国石油天然ガス集団公司(CNPC)の幹部4名(蒋潔敏はCNPCの前会長であった)に対する取り調べが開始したことに焦点を当て、これは習近平が宣言していた「ハエだけでなく、虎もたたく」の虎であるとし、利権にまみれた石油業界での反腐敗闘争は現政権にとって試金石になると論じている。CNPCが世界でトップクラスのスーパー企業であるのは周知のことである。


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