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2016.05.04

(短評)憲法改正問題

 わたくしは若いころから日本の憲法は改正をいとうべきでないという考えであり、今も基本的には変わっていない。しばしば改正することで有名なスイスの憲法について1冊の本を書いたこともある(『スイス 歴史が生んだ異色の憲法』ミネルヴァ書房)。
 しかし、現在の政治状況下で憲法を改正することには反対だ。国会で意味のある審議を期待できないからである。特定秘密保護法と安保関連法の審議において質疑は驚く程かみ合っていなかった。たとえば、法案には一定の厳格な条件を満たせば自衛隊を外国へ派遣できることになっているが、その点に関する安倍首相の答弁は、「外国の領土へ派遣することはない」ということであった。
 そのような審議しかできないのであれば、国家の命運を左右する憲法について真に意味のある検討は到底期待できない。

 自民党だけでないが、憲法改正案を公に提示し国民に考える機会を提供していることは評価している。内容について賛成するところもあれば、反対することもあるが、具体的な検討に資するからだ。

 これまでのところ、条文の内容に立ち入った議論はまだ不十分だ。緊急事態についての議論も煮詰まっていない。そのような条文を設けることについては疑問が提起されているが、それに対する反論はほとんどないのではないか。憲法改正の結論を急ぐべきでないと思う。

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