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2015.03.27

(短文)アジアインフラ投資銀行・韓国・台湾

 中国が主導して進めているアジアインフラ投資銀行設立に韓国も参加することとしたらしい。米国がそうしないよう働きかけていたが、乗り遅れると不利があると考え、参加に踏み切ったものと思われる。台湾も参加する方向であると報道されている。台湾の場合は米国の反対は韓国の場合より強かったであろう。
 韓国や台湾が参加に踏み切るのは、経済的なメリットがあるからだといわれているが、どうしてメリットがあるのかよく分からない。融資を受けたいのであれば、アジア開発銀行あるいは世界銀行から融資を受けることはできないのか。もしこれら既存の開発銀行からの融資が得にくいのであれば、新しいアジアインフラ投資銀行からならば融資を得られるのか。
 メリットはそういうことでなく、インフラ建設の工事契約を獲得しやすくなるということにあるのかもしれない。韓国、台湾さらに欧州各国にとってプロジェクトを獲得することが重要であるのはよく分かる。しかし、結局多数の国が競争するのであれば、新しい銀行の参加国が期待できるメリットはなにか。そう簡単にプロジェクトを獲得するチャンスが大きくなるとも思えない。
 日本には、日本や米国だけが不利になるのは困るという考えがあるようだ。そうなると問題だが、どういう不利がありそうなのか少し検討してみる必要があるのではないか。

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