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2019.04.04

シナイ半島多国籍軍への自衛隊員派遣

 日本政府は4月2日の閣議でシナイ半島で活動する多国籍軍への自衛官2名の派遣を決定した。これは改正安保法により可能となった「国際連携平和安全活動」として初めてのケースである。

 「多国籍軍」への自衛隊派遣については日本国憲法違反の疑いが濃厚である。政府は、派遣されるのは司令部であり、また、安全な地域だから日本のPKO原則に照らして問題ないとの趣旨の説明をしているが、「平和維持活動(PKO)」と「多国籍軍」は異なる性質の活動であり、PKOは紛争が終結した後の活動として国連で承認されているが、「多国籍軍」についてはそのような承認はなく、紛争の状態について意見が分かれる。この区別は極めて重要である。
 安全か否かは極めて微妙な問題であり、安定的に安全であればPKOになる。シナイ半島ではPKOでなく、多国籍軍であるということは安定的に安全でないことを意味している。また、情勢は比較的短期間に変化しうる。
 
 イラク戦争の際、日本は戦争が行われている地域の付近にまで自衛隊の部隊を派遣し、米軍への物資輸送など後方活動に従事させたが、戦争に参加はしなかったと説明した。この説明は国際的には通らない恐れが大きい。

 日本国民は「多国籍軍」へ関与する覚悟があるのか、あらためて問われる。

 以上は要点だけである。詳しい説明は当研究所HPの「2019.02.11 自衛隊の多国籍軍への派遣」、「2018.09.19 多国籍軍への自衛隊派遣」、「2014.06.21 集団安全保障へ参加する?」、「2014.06.05 PKOと多国籍軍への参加」などを参照されたい。

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