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2016.06.30

(短評)日ロ交渉と国際情勢

 中ロ両国が緊密な関係を誇示している。習近平主席とプーチン大統領はウズベキスタンの首都タシケントで開かれた上海協力機構首脳会議の前日(6月23日)に会談したばかりであったが、25日、北京に移動して再度会談した。
 3日間に2回の中ロ首脳会談であり、しかも、プーチン大統領の北京滞在は24時間に満たなかった。プーチン大統領がこのような日程をよく受け入れたものだと思う。
 中国側はプーチン大統領の訪問を、時間は短かったが「公式訪問」と位置付けた。そうすると派手な歓迎行事が可能となるからだろう。また25日には、中国が力を入れているアジアインフラ投資銀行の第1回年次総会を北京で開くというお膳立てまでした。プーチン大統領としてAIIB総会への出席という目的が加われば訪中しやすくなるからではなかったか。
 
 中国はなぜそのような行動に出たのか。それは、中国が国際的な活動の中心であることを示し、中国の国際的重要性をアピールしようとしたためだろう。このような発想は他の国にもあるが、中国には特に強い。
 中国が激しく動いている背景には、南シナ海での紛争に関しフィリピンが申し立てていた国際仲裁裁判の決定が7月12日に下ることがあるが、本論ではそのことはさておいて、中国とロシアが密接に協力し合っていることが日本にどのような影響があるかに注目した。
 
 中国側からロシア側に対して共同行動を持ちかけることが多く、ロシア側はそれに対して、いわば「お付き合いしている」という感じである。先般、我が国の領海・接続水域付近で中ロ両国による艦船が通過したのも類似の例だった。さらに以前には、東シナ海の尖閣諸島に近いところで合同演習を行ったこともある。中ロ両国は事実上同盟関係にあるという人もいるが、中国からの願い事はできるだけ応じるというのがロシアの方針らしい。
 ロシアの海軍はわが海上自衛隊とも一定の友好関係にあるが、政治の影響を受けるのは避けがたい。一方、太平洋地域においてロシア海軍は中国海軍と利益を異にすることもあるが、最近は協力的行動が目立っている。
 ロシアとして、現在の最大問題は米国への対抗であり、ロシアと米国の関係は「新冷戦」と呼ばれることもあるほど低調だ。ロシアはそのためにも中国と協力することを基本方針にしており、単に「お付き合いしている」という程度のことではなくなっているようだ。このような状況のなかでロシアは日本との交渉に熱を入れられるだろうか。少なくとも日本はロシアをめぐる国際情勢には十分な注意が必要だ。

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