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2014.01.19

靖国神社参拝に関する若者の反応 2

戦争指導者を敬う気持ちを持っている者は少ないのに、なぜ安倍首相の靖国神社参拝に多くの若者が賛同したのか。
一つには、靖国神社参拝が戦争指導者を敬うことになるという認識が若者には少ないためでないかと思われる。若者に限ったことでなく、靖国神社参拝を是とする人には、「靖国神社を参拝するのは戦争指導者を敬うためでない」と主張する人があり、安倍首相もそのような説明を行なっている。若者がそのような説明に影響されている可能性もあろう。
しかし、靖国神社参拝問題は戦後さんざん議論されてきたことであり、この問題に少しでも関心を持っている人なら、靖国神社がある時点から戦争指導者も祭ることにし、その方針を今でも変えようとしないことを知っている。多くの若者はそのことに注意を払う動機も機会もなかったので知らないだけだと思う。
もう一つの問題は、靖国神社参拝の是非を世論調査で問い、あるいは報道する場合に、「中国、韓国などの反応」に焦点を当てる傾向が、予期せぬ結果をもたらしているのではないかということである。先の大戦で大きな被害をこうむった隣国に配慮すべきであるのは当然だが、日本の若者は、常日頃中国や韓国から尖閣諸島、竹島、慰安婦、徴用工、教科書とあれもこれも言われるのに辟易し、しかもそれらは自分たちの世代が作り出したことでないので、靖国神社参拝についても「またか」という反応になりがちである。つまり、彼らは靖国神社参拝がよいことと思ったからでなく、中国や韓国が批判するからよいことだと思って、回答したり、書き込んだりしたのではないか。
もちろん、若者の反応を安易に一般化すべきでない。彼らには物事を理解する力があり、これからの未来を切り開いていく力がある。いわゆる歴史問題は彼らにとってとっつきにくく、厄介な問題であろうが、いずれそのような問題にも正しく対処していくであろう。若者は、我々年長の世代から見れば危ういと思うほど単純に反応することもあるが、無限の可能性を秘めており、我々としては、若者がどんな難問、難題にも対処できるよう、環境をよくし、手助けしていくべきであろう。
米国が「失望した」と言ったのは、このような観点から興味深い状況を作り出したように思われる。これを聞いて若者は驚いたのであろう。靖国神社参拝は中国や韓国による日本批判だけの問題でないという意味合いを感じ取ったからである。
私が話した若者は、靖国神社参拝は、中国や韓国がそれを批判するから問題なのではなく、戦争指導者を敬うことになるから問題なのだという私の考えを説明すると、きわめて率直に、「それなら話が違う。首相が参拝すべきでないことはよく分かる」という反応を示した。米国の態度表明と平仄があっているのではないか。



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