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2014.02.13

茅于軾氏の講演

2月12日、キヤノングローバル戦略研究所で茅于軾氏の講演会があった。
茅于軾氏は、中国の著名な改革派経済学者であり、歯に衣着せず発言することで知られている。日本では、「中国の現状への最もラディカルな批判者」と評する人もいる。茅于軾氏は昨年春、自らのブログで「毛沢東をただの人間に戻そう」と題する長編の文章を発表し、中国の内外で波紋が広がった経緯もある。
今回の講演もひとことで言えば毛沢東批判であった。
「毛沢東は中華人民共和国の成立以来多数の人間を死なせており、餓死者も含めその数は4500万人ないし5000万に上る。国民党軍も多数殺害した。」
「戦争に負けた日本が繁栄し、戦争に勝ったはずの中国が貧しいままでいるのは毛沢東が間違っていたからである。中国の党政府は重要な事実を国民に知らせていない。」
「毛沢東による混乱が頂点に達したのが文化大革命である。約300万人もの死者が出た。」
「鄧小平は毛沢東と文革の過ちを正したが、1989年の天安門事件では過ちを犯した。」
「毛沢東は公平、造反、闘争、権力などを好む。公平自体は結構だが、それは指導者の自己満足になる。経済的に考えれば、効率を重視しなければならない。公平にこだわると経済効率を上げるのに障害となる。」
「現在の経済状況には多くの問題がある。不動産関係、金融関係などの問題は深刻である。高層の住宅を建てても空き家だらけだ。その比率は30~40%に上る。」
「現在成長率は7%台に落ちているが、9%くらいに戻すのは困難でない。しかし、それには経済改革を進めなければならない。」
「次の改革は急務である。第1に司法の独立。第2に、国有企業改革。現在の国有企業は企業でなく、政府の一部である。第3に、7人の政治局常務委員がすべてを決めるのでなく、国民の意思をもっと吸い上げるようにしなければならない。」

茅于軾氏の率直な発言に聴衆は強く印象付けられたようであり、「そのような発言をして中国内で問題にならないのか」という質問も出た。これに対し、茅于軾氏は、「発言はできる。しかし、大学の教授などは問題になるであろう。」という答えであった。ちなみに茅于軾氏は現在85歳であり、いわゆる長老である。現役の人たちには同氏のような自由はないだろう。



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