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2016.10.10

(短評)ドゥテルテ大統領のフィリピン訪問

 ドゥテルテ大統領は最近も、「オバマ大統領は地獄へ行け」などと暴言を吐いたり、また米軍はフィリピンにいらないと言ったりしている。麻薬取り締まりが行き過ぎて多数の死者が出ていることを米国が問題視したことに反発しての発言であるとはいえ、相変わらずの毒舌ぶりだ。

 一方、同大統領は近く中国を訪問することになった。香港の『大公報』紙10月10日付は、中国およびフィリピン各紙の報道に基づき、「ドゥテルテ大統領が今月18~21日、中国を国賓として訪問することになった。もともと事務的な訪問で合意されていたが、途中から国賓に格上げとなり、滞在期間も20~21日から延長された」との趣旨を報じている。

 米国に対して物怖じしないどころか、世界の指導者の中でもっとも乱暴な言葉を使って米国を批判するドゥテルテ氏は中国にとって大歓迎だろう。今回の中国訪問を最高の国賓待遇としたことはその表れだ。
 また、中国としては先の仲裁判決を事実上葬ってしまうためにドゥテルテ大統領を取り込みたい考えだ。多数の経済協力案件で歓心を得ようとするのだろう

 一方、ドゥテルテ大統領の訪日については日比両国間で調整中であり、10月25~27日になる可能性もあるそうだ。さまざまな案件があるが、仲裁判決は日本の強い関心事だ。尖閣諸島とも大いに関係があることをドゥテルテ大統領に理解してもらう必要がある。

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