平和外交研究所

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2014.08.12

対人地雷禁止条約への米国の参加意図表明

対人地雷禁止条約(オタワ条約)に米国が参加するか、1997年に同条約が成立して以来の懸案であった。2009年、オバマ政権の下で米国は、同条約の会議にオブザーバーとして初めて出席し、参加の是非を検討すると表明したので、米国の加盟への期待が盛り上がった。しかし、米国の検討作業はなかなか進展せず、同条約の会議の内外で繰り返し結論を急ぐよう、各国やNGOから迫られていた。
今年6月、第3回の再検討会議がマプト(モザンビークの首都)で開催された。数年に1回の重要な検討会議であったが、会議が始まる前は、米国はやはり結論を出せないだろうと見る人が多かったらしい。
しかし、米国の代表は同月27日、米国はオタワ条約に参加する予定であること、また、米国は対人地雷を生産しないことを発表し、大歓迎を受けた。米国はすでに大量の対人地雷を生産・保有しているが、条約加盟が発効するとすべてのストックを廃棄する義務が生じ、その履行のために計画が作られ、同条約の会議で監視を受けることになる。

2014.05.14

天安門事件25周年 映画と講演の集い

及川淳子さん(研究分野は現代中国の言論空間。現在は、法政大学客員学術研究員、桜美林大学北東アジア総合研究所客員研究員、日本大学文理学部非常勤講師。著書『現代中国の言論空間と政治文化――「李鋭ネットワーク」の形成と変容』(御茶の水書房、2012年)など)から次の案内が来ています。転送歓迎ということですので掲載しました。

(及川さん)今回、学内の人文科学研究所主催という形で、下記のイベントを企画しました。対外的にもオープンな企画で、事前の申し込みも特に必要ありませんので、ご関心とお時間がありましたら、ぜひご参加下さい。

第1部は、翰光監督の映画『亡命』(ダイジェスト版)を上映します。
すでに9日の東大でのイベントでご覧になっておられる方もいらっしゃると思います。今回は、上映会第二弾です!
29日は、第1、第2部の全体はもちろんですが、第2部のみのご参加も大歓迎です。

第2部は、天安門事件後に逮捕・投獄を経てアメリカに亡命した知識人、友人の陳破空さんが、今回ニューヨークから来日されるのに合わせた講演会です。陳破空さんは、昨年『赤い中国消滅』(扶桑新書)を刊行されました。今月は文春新書、今後は幻冬舎新書と出版予定も続き、ご活躍が注目されている方です。

今回は、翰光監督のご好意により、映画『亡命』の特別バージョンとして本編では公開されなかった陳破空さんのインタビューもあわせて上映する予定です。

なお、すでに報道もありますので、皆様ご存知の通りと存じますが、3日北京で、徐友漁さん、浦志強さんたちが、事件25周年記念の研究会を開催したことを理由に、現在、刑事拘留されています。とても厳しい状況です。

日本をはじめ、世界的にも注視され、支援の輪が広がっています。日本からのアピールについて、ご案内が重複している場合はお許しください。
最新情報として、本日18時のNHKニュースでの報道を、以下でご覧頂けます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140513/k10014417281000.html

29日の企画では、本件に関する最新情報の共有を含めて、みなさまとも議論できればと考えています。
ご参加を心よりお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 及川淳子


************  ご案内 *************

【映画と講演の集い】
 天安門事件25周年によせて――活動家たちは今

【日時】2014年5月29日(木)14:45~17:30(最長18時まで)

【会場】日本大学文理学部 3号館3507教室
    アクセス:http://www.chs.nihon-u.ac.jp/access/
    キャンパスマップ:http://www.chs.nihon-u.ac.jp/about_chs/campus_map/
    (3507教室は、3号館5階、エレベータ右手の大教室です)

【主催】日本大学文理学部人文科学研究所総合研究
「近現代におけるナショナリズムと歴史認識への各国の対応に関する研究」班
(代表:小浜正子・中国語中国文化学科教授)

【プログラム】
第一部 14:45~16:10
主旨説明(小浜正子) 講演者紹介(及川淳子・文理学部非常勤講師)
  翰光監督講演「越境者・亡命者が語る近現代中国」(日本語)
  映画『亡命 Outside the Great Wall』上映(ダイジェスト版、40分)
 (16:10~16:20 休憩)

 第二部 16:20~17:30
  陳破空氏講演「My Story~民主化運動から亡命まで」(中国語、逐次通訳)
  質疑応答、討論

このご案内は、転送大歓迎です!
ご関心のありそうな方に、ご案内頂けましたら嬉しいです。

2014.02.02

バルカン室内管弦楽団と柳澤寿男氏

バルカン室内管弦楽団の平和祈念コンサートが今年の5月末から約1カ月の間に日本各地とボスニアの首都サラエボで開催される。この楽団は日本人指揮者の柳澤寿男氏によってバルカン半島の諸民族の和解と共栄を願って設立されたもので、これまで年に1~2回、バルカン半島の主要都市やウィーン、ニューヨーク、それに日本各地でもコンサートを行なってきた。この楽団にはセルビア人、アルバニア人、マケドニア人、ボスニア人、ギリシャ人、スロベニア人、ブルガリア人、ルーマニア人、トルコ人が参加している。
バルカン半島では諸民族の対立が激しく、お互いの交流はきわめて限られており、複数の民族が参加する行事はほとんどないので、この管弦楽団は例外的存在である。
バルカン半島は、14世紀から約500年間、オスマントルコにより侵略・占領されて国土は荒廃し、ヨーロッパの繁栄から取り残されただけでなく、第一次世界大戦勃発のきっかけとなったサラエボ事件に象徴される「ヨーロッパの火薬庫」という不名誉な綽名をつけられる状況に陥っていた。
第二次大戦後、一時期は安定を取り戻したこともあるが、それも長続きせず、8つの民族の対立が激化し、ついには民族ごとの共和国に分裂してしまった。その間激しい武力衝突から大量の難民が発生し、また、西側諸国との対立も生じて1999年、NATO軍の爆撃を受けるに至り、コソボやベオグラードは文字通り完膚なきまで叩きのめされた。その後、バルカン半島、とくに西バルカンでは国連の強い関与の下でようやく秩序が回復したが、長年にわたる諸民族の抗争と国土荒廃はこの地域の人々に深い傷跡を残しており、現在も異なる民族は対立状態にあり、お互いに敵視しあうことも少なくない。
このように対立する諸民族の音楽家を集めて演奏会を催すことなどバルカンの常識ではほぼ不可能に近いが、柳澤氏は類まれな行動力でそれを実現しコンサートを開いている。そのため柳澤氏は家族を日本に残したまま1年の約半分をコソボの首都プリシュティナで過ごしており、停電がしばしば発生し、冬は室内の水も凍結する過酷な環境と戦いながら各国政府との交渉、コンサートの準備、費用の工面などを自ら行っている。
私はかつて大使としてベオグラードで勤務したことがあり、バルカンの特殊な政治状況にはいささかの認識があり、諸民族の和解と共栄のため、多大の犠牲を払って活躍している柳澤氏の献身的努力に満腔の敬意を抱いている。
日本はバルカンとは遠く離れているが、NATOによる爆撃終了直後から西バルカン諸国の回復、復興に協力してきた。とくに、コソボやセルビアで柳澤氏や日本のNGOが音楽を通じて、あるいは難民を助けて献身的な努力を続け、現地の人々や政府から厚く感謝されていることは日本人の誇りである。
同氏の指揮するバルカン室内管弦楽団による今回の日本各地(東京、下諏訪、名古屋、金沢)およびサラエボでの公演が成功することを念じ、また、皆様にもお力を貸していただきたいと願っている。
公演予定は次のとおりである。
5月29日 東京都千代田区:紀尾井ホール
5月31日および6月1日 長野県下諏訪町:下諏訪総合文化センター
6月4日 愛知県名古屋市:愛知県芸術劇場コンサートホール
6月6日 石川県金沢市:石川県立音楽堂
6月20日 ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国:サラエボ国立劇場

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