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2013.09.24

北朝鮮の経済建設重視?

金正恩第一書記は今後経済建設を最優先すると、北京で開かれた6カ国協議10周年記念シンポジウムで北朝鮮の李容浩外務次官が語ったそうである(18日 大公網9月22日)。
たしかに最近は金正恩第一書記の経済関係視察が顕著に増えている。就任して間もないころは、夫人とともに幼稚園など各種施設を訪問することが多かったが、ある時から軍関係の視察が圧倒的に多くなり(夫人同伴はほとんどなくなった)、その傾向は2013年の春まで続いた。そして最近は、軍関係の訪問が目立って少なくなった。
軍関係施設への訪問があっても軍人の生活が話題になるなど、ひところの軍事施設で気炎を上げるのとはかなり様相が異なっている。また、国家目標の優先順位を核兵器と経済の二本立てにしていたのを、今後は経済一本に絞ることにしたということであれば、これまでの方針とはかなり違ってくる。
このような方針の修正が真実あったのであれば、どのような理由によるのか。軍の高級人事を頻繁に行うなど金正恩の気まぐれが影響しているか。それとも、金正恩第一書記はもともと経済建設を進めようと考えていたが、その前に軍を大事にしていることを示し手なずけておこうという深慮遠謀があったのか。真相がより明確になるのはそう遠い将来のことではないかもしれない。

2013.09.20

イランとミャンマーへの査察

イランのロハニ大統領は9月18日、テヘランでの米NBCテレビのインタビューで、「イランはこれまで核兵器を得ようとしたことはなく、今後もない」と明言した。非常に明快である。
また、当選後にオバマ米大統領から受け取った書簡の内容については、「前向きで建設的なトーンだった」と語っている。
ロハニ大統領は今月下旬国連総会に出席する予定。国連の場で欧米との関係修復に乗り出すとの期待が高まっている。
一方、懸案であるIAEAの追加議定書の批准はまだ行われていない。これは抜き打ち検査を可能にする措置で、批准の必要性は各国から指摘されているが、今の段階では、イランはまだそこまで用意ができていないのであろう。

一方、ミャンマーのワナマウンルウィン外相は17日、国際原子力機関(IAEA)年次総会で、追加議定書に署名した。かつて北朝鮮と協力関係にあり核開発を疑われていたが、今は疑惑を払拭(ふっしょく)すべく前進しているようである。
イランが追加議定書に署名したのはちょうど十年前なので、その意味ではミャンマーより早かったが、イランの前向きの表明はまだ総論の段階にあり、今後円滑に査察が行なわれるか、さらに見守る必要がある。

2013.09.16

シリアの化学兵器に関する米ロ合意

シリアの化学兵器の国際的管理に関する米ロ協議が合意に達したことは、実際的に問題を処理する大きなステップであり、喜ばしい。
化学兵器問題が解決したわけではなく、解決へ向けての道筋ができただけである。シリア政府は1週間以内に、どのような化学兵器をいくら保有しているかを示すリストを提出する。この申告が間違っていたり、虚偽であったりしないか、実際に貯蔵されている施設で検証が行われる。シリア政府はもちろんこれに協力しなければならない。検証するのは化学兵器禁止条約機関(これは有効な検証機能を備えている)と、米ロ、それにフランスなども参加するかもしれない。そして来年半ばまでにすべての化学兵器を廃棄する。以上のような道筋であるが、これを予定通り実行するのは容易なことでない。
しかし、化学兵器がシリアに残っているかぎりさらに被害者が増える危険があるので、常識的には無理であっても何とか実現すべきであるし、右に言及した以外の各国も協力が必要である。我が国は化学兵器禁止機関の検証部門に専門家を出しており、その人が直接関与する可能性もある。
また、今回米ロ間で合意された筋書きを担保するために国連安保理決議が必要であるが、はたして近日中に成立するか、成立するとしてもその内容はどうなるか、とくにロシアと中国はどう出てくるか、なども問題である。
米国としては、国連が十分機能しない場合などに備えて、単独、あるいは有志の国と共同で武力行使に踏み来るオプションを残しておくことが、今回のシナリオ通りの廃棄を実現するためにも必要であると考えているであろう。
これに対し、シリアは、化学兵器を国際管理に委ねること、化学兵器禁止条約に加盟することなどは合意しつつも、シリアに対する武力行使が行われないという保証が前提であると牽制しており、米国がもっとも恐れていた時間稼ぎに今回の合意が利用されない保証はない。
現段階では不確実なことは多々あり、今後のさらなる進展を見守る必要がある。

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