平和外交研究所

中国

2014.02.04

中国雑記 2月4日まで

○香港の雑誌『開放』によると、中央規律検査委員会の「第1号専案」として調査の対象になっているは温家宝前首相でなく、「石油閥の王者」と綽名されている曾慶紅前国家副主席であり、習近平と王岐山は温家宝を極力かばったそうだ。
「2号専案」は周永康関係である。これを担当している小組では500人が使われており、そのトップは公安部の傅政華副部長である。
(多維新聞2月1日)
(注 温家宝前首相はその夫人が噂に上っている。周永康に関する報道、噂は数知れない。)

○中央組織部(注 人事を担当)は最近、頻繁に条例や指示を発出している。1月15日には「幹部任用条例」を、21日には「幹部任用工作の監督の強化に関する意見」である。後者の「意見」は幹部を任用する場合に、不正を正さなければならないことを厳しく命じている。
(注 すでに任用された者の汚職が問題であるが、任用する際から公正に人事を行なうべきだということであり、習近平政権が力を入れている反腐敗運動の一環である。)

2014.02.03

国家安全委員会の位置づけなど

昨年秋の三中全会で設置が決定された国家安全委員会に関する新華社電や中国各紙の報道および評論の要点。

○同じく三中全会で設置が決定された全面深化改革領導小組(深改小組)は中国共産党の一機構であることが明確である一方、国家安全委員会(国安会)は共産党の機関か国家機関かはっきりしていなかったが、最近これは共産党にも国家にも置かれる機関であることが明らかになった。前者は三中全会ですでに決定済みであるが、後者はこの春の全国人民代表大会で設立される。国安会は中央軍事委員会と同様、「二つの顔を持つ一つのグループ(両塊牌子、一套班子)」となるであろう。
○国安会は、前身の中央国家安全領導小組と同様諸機関間の調整を行なうが、政策決定を行なう点は違っている。
○国安会の主席は習近平、2名の副主席は李国強と張徳江である。
○国安会と深改小組の両方のメンバーとなっているのは習近平と李国強だけである。その他の政治局常務委員5名は、2名が深改小組、1名が国安会に属し、残りの2名(俞正声と王岐山)はいずれにも参加していないことになる。(注 習近平が権力を一身に集中させているのに対し、李国強が重視されて異なことが注目を浴びているが、政治局常務委員のなかでは首席格primus inter paresとなっているようである)
○国安会は中央外事領導小組および中央海洋権益工作小組と一体となっており、「三つの顔を持つ一つのグループ(三塊牌子、一套班子)」である。外事小組にはすでに事務局が設置されており、国安会の事務局がどのように構成されるか注目される。

2014.01.31

国有企業幹部の転職

中国の国有企業の幹部が民間に転職して、高給取りになることについて、1月28日付の『企業観察報』が報道している。主要点を拾って見た。

報道のきっかけとなったのは「中国联通(中国聯合通信有限公司 通信業者)」の李剛副総裁が「華翔联信(携帯電話会社)」に移ったことであった。
このような場合「転職代(転会費)」を払うのが一般的である(注 野球のポスティングに似ており、それを受け取るのは国有企業である)。
2013年に「山東黄金集団公司」の会長兼党委書記であった王建華は「紫金鉱業」へ移って年収500万元余(8500万円余)を得た。
過去2年の間に、500人以上の国有企業の幹部が民間に移った。安徽省だけでも2013年中に70人が移っている。
民間が国有企業の幹部を受け入れるのは、専門的知識の他、人的関係が広いためである。
中国人民大学公共管理学院院長助理,組織与人力资源研究所の劉昕教授によれば、国有企業の幹部が転身する原因は5つある。
第1に、国有企業の発展性が乏しいことであり、副社長はなかなか正社長になれない。
第2に、国有企業では内部の問題で消耗し、政治が多過ぎる。経営の腕を発揮できず、いやになることが多い。
第3に、個人として政府に対し就職に関する要望を提出できない。
第4に、高収入の誘惑である。
第5に、一部の幹部が国有企業において不正を働いたことが発覚するのを恐れ、事前に離職する場合がある。

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