平和外交研究所

中国

2013.06.26

中国の武力行使

中国新疆ウイグル自治区北西部の町で「暴動」が起き、ナイフなどを持った武装グループが地元の警察署や政府機関を襲って、警察官や市民ら17人を殺害し、武装グループのうち10人が警察官に銃殺されたそうである(新華社が伝えたのは6月26日)。
中国は、「過去30年間、対外的に武力を行使したことはない」と言っている(たとえば、先のシンガポールでのシャングリラ対話でも)が、このウイグル自治区やチベットでは武力を使っている。国内と国外は違うと主張するかもしれないが、チベットも台湾も尖閣諸島も南沙諸島も中国領だと主張している。そうであれば、中国は、たとえば、日本の九州に対しては武力を使わないとしても、尖閣諸島には使う可能性があるということか。
チベットやウイグルにおいて武力を使ったことをただちに非難するのではないが、中国の姿勢には疑問がある。

2013.06.14

オバマ・習近平会談(続)

オバマ大統領は13日、安倍首相に習近平主席との会談について電話で説明し、中国の海洋進出について「周辺国が懸念を持っている。戦略的な自制が必要だ」と求めたことを明らかにしたそうである。オバマ大統領がこの点に焦点を当て習近平主席と会談したのはきわめて適切であった。日中間のみならず、フィリピン、ベトナム、マレーシアなどと中国との間でもっとも危険な対立が生じる恐れは中国の海洋大国化戦略にあるからである。
尖閣諸島や南沙諸島など他国領を中国領と規定する領海法を突如制定し(1992年)、さらにこれらは中国の「核心的利益」であるとしてチベットや新疆と同等に扱う「中国の一方的な主張は国際法に照らして問題であり、わが国を含め関係各国がそれを認めることはありえない。中国があくまでそのような主張を貫こうとすれば国際的な摩擦・紛争が惹起されるのは避けがたくなる」(茅原郁生・美根慶樹『21世紀の中国 軍事外交篇』朝日新聞出版 2012年)。手前味噌であるが、あえて引用した。

2013.06.11

オバマ・習近平会談

オバマ大統領と習近平主席は6月の7および8日の2日間、食事の時間を含めると8時間にわたって話し合った。異例の長さだそうである。尖閣諸島については、会談終了後の記者会見でドニロン国家安全保障補佐官より、「7日の夕食の席でかなり長く話し合われた。米国の立場は、主権問題についてどちらにも味方しないということであり、オバマ大統領は、当事者は緊張を緩和させる努力をすべきである、行動によってでなく、外交チャンネルで会話することを目指すべきである(the parties should seek to de-escalate, not escalate; and the parties should seek to have conversations about this through diplomatic channels and not through actions out of the East China Sea.というラインで発言した)というラインで述べた」と説明した。
菅官房長官は、会談に先立って米国は日本に対し、日本の立場をあらためて説明するよう求めたことに言及しつつ、オバマ大統領は日本の立場を踏まえて習近平主席と話してくれたものと思うという趣旨の発言を行なっている。
日本の報道では、尖閣諸島について安保条約が適用されることが確認されたかがポイントであるとするものがあるが、その点がどうなったか明確になっていない。
それはともかくとして、オバマ大統領の発言は米国の立場を再確認したにすぎないが、日本にとって容易ならざる面を含んでいる。それは日本と中国は「会話を目指すべきだ」と述べている点であり、日本政府は、尖閣諸島については領有権の問題は存在しないとの立場から、中国政府と話し合うべきものでないとしている。この姿勢は米国の希望と合致しないのではないか。
尖閣諸島に関して中国政府と話し合いをすべきだとは思わない。中国の主張があまりに一方的で、理屈に合わないからである。しかし、ただ、話し合いもしないというだけでは第三国から理解されないおそれがある。ではどうするのがよいかであるが、「中国がどうしても尖閣諸島に対する権利を主張するのであれば、国際司法裁判所へ提訴すればよい。日本は受けて立つ」という姿勢を示すべきであろう。これであれば第三国からも、日本は平和的に、かつ積極的に問題解決を望んでいることを理解されるのではないか。

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