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2013.05.26

北朝鮮の柔軟姿勢は本物か

4月末のミサイルの日本海側からの撤去、北朝鮮軍総政治部長の訪中など、北朝鮮が一時の挑戦的態度を改め対外関係を重視している姿勢を見せていることに注目が集まっているが、内政との関連も重要である。
いつものことながら、北朝鮮内部で何が起こっているか情報は少ないし、分かりにくいが、金正恩が軍内での権威を確立するために必要以上に強硬な姿勢を取った可能性がある。しかし、単なる肝試しではなかった。金正恩は就任以来軍のトップ(総参謀長)を2回交代させている(金格植元総参謀長が復帰)。前任の玄永哲は、昨年7月に総参謀長への就任が確認された。金格植は2010年に韓国・大延坪島砲撃を指揮した強硬派と目されている。
中国は6者協議の再開に力を入れているようだが、これはワークしないだろう。

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2013.05.24

北朝鮮軍総政治部長の訪中

北朝鮮人民軍の崔龍海総政治部長の中国訪問は、昨年12月12日の「人工衛星」発射以来初めての正しい行為であった、と中国の新聞が論評している。中国が北朝鮮の挑戦的な言動をいかに不快視していたか、まざまざと浮かび上がってくる。これはたんなる一新聞報道でなく、中国政府内の見方を反映していると思う。この中国紙の論評はさらに続けて、「もし北朝鮮がこれまでの誤った行動を続けるならば、中国としてはいつまでも北朝鮮を味方することはできない」とも述べている。かなりの激しさである。
北朝鮮は今月(5月)5日、中国の漁船を拿捕し、2週間以内に約1千万円を支払うよう要求していたが、前回(約1年前)と異なり今回はあっさりと釈放した。北朝鮮が中国の船員と漁船の返還を報道したのは20日である。要求された金銭を支払ったかどうかは報道していない。定かではないが、北朝鮮は早期に釈放することにより、中国に友好的であることを強調しようとしたのかもしれない。

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2013.05.16

核燃料の再処理

2013年5月2日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は日本の核燃料再処理に関して、「日本は米国の反対にもかかわらず(over the objections of the Obama administration)大規模な六ヶ所村工場を稼働させようとしている」という書き出しの記事を掲載している。
米国が具体的にどのように反対しているのか、説明はないが、この記事は全体として、六ヶ所村プラントの稼働開始は、核拡散を助長するおそれがあるという趣旨である。次のようなことも言っている。
北朝鮮の活発な核開発にかんがみると、六ヶ所村プラントの稼働開始は本来の想定よりはるかに広範な影響(far reaching affect)を他の核計画に及ぼすおそれがあると日、米、韓の公務員は恐れている。
中国、韓国および台湾は六ヶ所村を注意深く観察しており、中国は現有の設備を拡大すべきか、また、他の国は自分たちの核燃料技術を開発すべきか参考にしようとしている。また、韓国はすでに日本と同様の再処理の許可を米国に求めている。また、中国は仏アレバ社と六ヶ所村と同規模の再処理施設の建設契約を結んだ。六ヶ所村の稼働開始はこの地域に新しい次元の摩擦(a new dimension of friction)を惹起する恐れがある。
米国のもう一つの懸念は、核燃料のストックの安全性であり、日本は原子力発電が大幅に減少したのでプルトニウムのストックがそれだけ多くなり、安全面での危険性が高まっている。数週間前に米国は日本に安全面での懸念を伝えた。

米国は、日本をP5では唯一の例外国として核燃料の再処理を認めているが、この状態に黄色信号が点いている。韓国の経済成長とともに、これまでのように、日本はよいが韓国はダメというように片づけることは困難になりつつある。
日米原子力協定は2018年7月に満期を迎える。日米とも何もしなければ自動延長されるか。当然視はできない。現在未決着状態にある米韓原子力協定の更改問題との関連もある。
さらに深層心理としては、米国には水平的拡散のみならず、垂直的拡散、すなわち日本の核武装を懸念する気持ちがあるだろう。それは戦後つねに存在してきた問題であるが、現在の日本は右傾化していると米国は見ているのではないか。一般の日本人は、日本の核武装などありえないと思っているが、憲法が改正されるとどうなるか。
カーター政権時代、米国は日本の再処理を認めない方針を打ち出そうとしたが、日本の猛烈な働きかけにより、それは途中で沙汰やみとなった。しかし、そのときと国際環境は大きく異なっている。

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