平和外交研究所

ブログ

ブログ記事一覧

2013.08.09

ソ連は「憲政」に敗れたか

環球網(人民日報系)の評論「今日」第307期(8月6日)は「ソ連は憲政のために滅びたか」をテーマとする特集を掲載した。
(はじめに)「最近、二つの文章が注意を引いた。一つは王小石の「中国が動揺すればソ連よりひどいことになる」であり(新華網で発表)、もう一つは人民日報に掲載された馬鐘成の「「憲政」の本質は一種の世論戦の武器である」である。馬論文は、重点は「憲政」にあるが、ソ連は西側から浸透してきた考えである「憲政」に敗れたとみなし、巧みに「憲政」と「ソ連解体」という二つのホットな言葉を関連づけており、国内のいわゆる「憲政派」に警戒を呼び掛け(提醒警惕)ている。では、ここで、ソ連は果たして「憲政」に敗れたのか、我々はこのことから何を見てとるのか、考えてみたい。」
(そして分析を続け、最後に次の結論で締めくくっている)
「「中国が動揺すればソ連よりもひどくなる」。この句は最近インターネットではやっている言葉であり、多くの人が中国とソ連の状況を比較している。ソ連の解体以来、学会で「ソ連はなぜ解体したか」について熱心な討論が行なわれてきたことがあらためて注目される。馬鐘成の文章は、ソ連は「憲政」という西側の考えに敗れたとするが、我々は次のように考える。すなわち、ゴルバチョフの「憲政」改革はたしかに最後の一撃となったが、ローマは一日で成ったのでなく、ソ連も一日で崩壊したのではなかった。改革の機会を逸したことによりソ連とソ連共産党は病膏肓に入ってしまったのである。「憲政」がソ連を破壊したというのは、あまりにも粗雑で単純化した説明であり、その背景にあった病変にはわれわれが教訓とすべきことがあったのは明らかである。」

日本人の目からして、内容もさることながら、このような議論があること自体興味あることであり、それは何を意味しているか考えたくなる。最近の「憲政」論争をもって中国政治に深刻な問題が発生していると判断するのは早すぎるが、さらに注目していく必要がある問題である。

(さらに…)

2013.08.08

尖閣諸島問題に関する中国批判

尖閣諸島問題について、「猫眼看人」という中国語の論壇に論評が出ている。
「猫眼看人」は「凱迪社区(kdnet)」という名称の民主派サイトが流しており、同サイトは中国語で最も影響力があると自認しているが、中国の検索エンジンである「百度」などは、これは「失意」の右派が運営しており、愛国者や左派の意見を排除しているとけなしている。
「猫眼看人」は昨2012年から尖閣諸島は日本の領土であるという意見を流している。
以上を前提に読む必要があるが、この論評の内容は次のとおりである。

「尖閣諸島をめぐる争いの激化は2年になろうとしている。フィリピンでは2年以上が経過している。これら争いの勝負と特質を分析してみたい。中国は全面的に動けなくなっており、また、中国にとって深刻な損害を与え、中国の国際環境は悪化し、中国の「生存空間」は大幅に圧縮され、中国の今後の発展にとって不利な影響を及ぼしている。どちらの争いにおいても、進むも退くも困難な状況にある。世界のどの国も中国を支持してくれていない。」

(以下は抜粋)
「初め、中国は大きく出て相手を怖がらせようとした。戦わずして戦意を失わせようとしたのであるが、逆に強い態度で対応され、中国との話し合いを中断するとまで言わせてしまった。中国は下りようにも階段がなくなっている。」
「この問題で、中国は道理をわきまえない国家であるという印象を与えてしまった。」
「日本はこの問題を国際司法裁判所に持ちこもうとしている。フィリピンはすでに提訴に踏み切った。こうなると中国は出口のない袋小路に追い込まれたも同然だ。もし中国がICJに持ち込むのを拒否すると、中国はびくつき道理に反しているという印象を世界に与えるだろう。」
「米軍がアジアに戻り、日本が軍国主義を復活させるのに口実を与える。」
「日本は尖閣諸島を130年余り支配し、フィリピンは数十年占領している。現在の中国の実力ではこれらを取り戻すのは不可能である。」

(さらに…)

2013.08.05

民主化運動批判の「王小石」論文

8月1日、新華社網が「王小石」名義の「中国がもし不安定化する(動蕩)とソ連の場合よりも悲惨なことになる」という論評を流した。そのなかで、筆者は、ソ連解体後の諸々の困難をあげ、中国のインターネットで民主主義と憲法擁護を論じる「右派」や中国の民衆を痛烈に批判している、と多維新聞が報道している。
この「王小石」は実在の人物でないそうで、インターネットでは本人探しが行なわれ、文章の癖などを比較検討した結果、この人物は社会科学院の党組副書記兼副院長の李慎明であることが判明したというコメントもついている。
この文章が民主化の要求をいさめていることは明らかであるが、なぜそのようなことを今、大々的に問題にしているのか。

(さらに…)

このページのトップへ

Copyright©平和外交研究所 All Rights Reserved.